聴覚に障がいがある子どもたちの教育や療育の現場では様々な活動がなされています。その一つが現有する聴覚の活用を進める実践です。新生児聴覚スクリーニング検査により、聴覚障がいの発見が誕生とともに可能になり、超早期から補聴器や人工内耳を装着する環境が整いつつあります。しかし機器を付けておしまいではなく、保護者の方たちとどのように補償された聞こえを活用すれば良いかについて、教育機関と療育機関では様々な実践が行われています。
補聴器や人工内耳の開発は日進月歩であり、その使い方によっても補聴効果や聴覚活用に違いが生じる可能性があります。最新の機器についての知識のアップデートは子どもたちと関わる身には欠かせません。
参加される方達の背景によってもニーズや考え方に違いがあり、まとまった方向を提案することが困難な状況にあります。そのような状況であればこそ、違った立場や意見の異なる人たちが、お互いの立場を尊重しながら意見を出し合うことによって、日々の実践活動に新しい発見や気づきが生まれるのではないかと思います。背景の違い、経験の長短、障がいの有無による違いを超えて、聴覚に障がいがあるお子さんの補聴や聴覚活用について、皆さんで語り合える場を大切にしていきたいと思います。